インドネシア、カリマンタン島にあるディナミナカプアス養魚場です。赤道直下のカプアス川水系にある養殖場で、古くからアジアアロワナの養殖を行なっています。
最近アロワナを始められた方には馴染みがない名前かもしれませんが、ビンタンカルバ、ヘンリー、サンバルジャヤサクティと並ぶ4大ファームでした。でしたと過去形にしているのは他の養殖場は規模を縮小したり、輸出量を減らしたのに対し、ディナミカカプアスだけはアロワナの養殖を今も変わらず行い輸出を続けているからです。
養殖しているアロワナは「スーパーレッド」「紅尾金龍」「バンジャールレッド」「グリーン」「過背金龍」ですが、過背金龍に関しては親魚の数も多くないので、それほど生産量は多くありません。紅尾金龍は昔ながらのスマトラゴールデンのみです。
後にもご紹介いたしますが、奥に見える森の奥の奥の奥までディナミカカプアスの敷地で、現在も池を掘る工事を進めています。スタッフが立っているのが「川からの水を各池に引く為の用水路」です。入り過ぎた水はオーバーフローさせるシステムで、入れ抜きで換水し水質を保つ感じです。大雨の場合も同じ様に水が逃げる様に作られています。
池と池の真ん中に通っているのが先ほどのコンクリートの用水路になります。画像上にあるカプアス川からの水路も確認できます。注:グーグルマップなので最新の画像ではありません。
青く囲った部分全てがディナミカカプアスの敷地になります。スタッフの多くが首狩り族で有名なダヤック族で、労働力と警備が両立しているとの事です。この地区にはダヤック族の村があり、今ではディナミカカプアスでの仕事で村の収益が成り立っているとの事です。
広い敷地の一部はヒヤンさんがドリアンを趣味で作っていて、スタッフはやはり全てダヤック族との事です。「ダヤックとは持ちつ、持たれつの関係になっているよ」とジミーが話してくれました。
「ディナミカカプアスは養殖場がない」そんな話を耳にした事ありませんか?これは一部の業者さんが多くのマニアさんに話されていて、そのまま嘘が拡散されてしまった形です。実際何人ものお客様から「ディナミカにはファームがないんでしょ?」と言われ困惑していました。ここまでブログを読んで頂き、事実とは違う事がお分かり頂けたと思いますが、ずっとディナミカのアロワナを飼育されている方達に申し訳なく思っていました。
さて、じゃあなぜその様な話が拡散されてしまったのか?ですが、恐らく情報不足から始まったんだろうと思っています。
上の画像の養殖場はポンティアナの古い養殖場です。ここもかなり大きな敷地でしたが、環境汚染による水質悪化からさらにカプアス川上流に養殖場を移転しました。その際に古い養殖場が不用になった為に土地を売りに出しました。その話から「ディナミカがファームを売っている!」と耳にした誰かが間違った情報を都合よく解釈され、拡散に繋がったのではないかと思います。
正直、事実とは違う話をマニアさんにお話しされるのはちょっと残念に思いますし、ご自分の目で耳で確かめて頂きたくも思いました。何事もそうですが誰かから聞いた話の全てが真実という訳ではないという事だと思います。
本当はブログで「ディナミカには養殖場はある」などと書きたくもなかったです。これ正直な気持ちです。別に当たり前の話ですし楽しくもないですしね・・・。
「もう少し待ってろFUKUI !!」ヒヤンさんとこの話をしたら写真を撮りにスピードボートで往復4時間かけてファームまで行ってくれました。しかもこの話の時、ヒヤンさんコロナにかかってたんです。だからもう少し待ってろって・・・。
「大丈夫。行かなくて良いから」って言ったんですが、翌週黙ってこの写真が送られてきました。嬉しさと悲しさと情けなさと色んな思いが込み上げてきました。
きっと他所のファームにも素晴らしいアロワナはいると思うんだけど、これがディナミカカプアスのアロワナを輸入し続ける理由の一つです。
ディナミカのアロワナを大切に飼育してくださっている方に、ラフレシアとディナミカの想いが少しでも伝わったら良いなと思います。
見える範囲全てが敷地です。強い日差しを遮る物もないし炎天下なのでここでの労働はかなり大変です。なんとなくファームを散歩してる気分で見て頂けたらと思います。ここまで読んで頂きありがとうございます。